釣りが面白い理由。

 以前に糸井重里さんのバスフィッシングに関する書籍を読んだことがある。バスフィッシングが何故面白いのかについて糸井さん独特の切り口でご自身がビギナーの頃から手記をためておられ、釣り場に通う時の思いやブラックバスを釣り上げ、上達していく流れを書いておられた。少し古い書籍だったので、テクニックは少し現在の主流から古い印象を受けたが、糸井さんのバスフィッシングに対する熱意やこだわりは書籍の随所にちりばめられていた。
 現在、琵琶湖を中心に時間をつくってブラックバスを釣るためにフィールドに出向くのですが、経験はそこそこあるものの、深くは探求していないので釣果はそれに見事に比例している。バスボートで毎週琵琶湖に出撃している仲間やエレキで週末ごとにフィールドのチェックを欠かさない釣り仲間などに比べると、私のバスフィッシングに対する取り組み方や姿勢は「ボチボチ」レベルなのだと思います。つまり、タックルも「ボチボチ」、頻度も「ボチボチ」、熱意も「ボチボチ」、だから、釣果が「ボチボチ」なのです。
 そんなバスフィッシングライフなのですが、大会となればテンションがあがります。バスフィッシングに突っ込んでいる仲間達は大会にいい結果を出すために毎週フィールドに通い、ポイントとチェックして、リグやタックルの研究に余念がない。一方、私はすべてが「ボチボチ」だけど、「勝ちたい」というバランスの悪い姿勢で欲望だけでテクニックやタックル装備が伴わない状態。当然、勝てる脈は限りなく0%に近いのですが、それでも大会当日は勝負師の一員のような顔で湖に乗り出す始末。
 釣りが面白い理由はこのように、「突っ込み方」に個人差があり、バスフィッシングをする目的やスタイルも千差万別なのが面白い最大の理由だと捉えています。同じ条件はまずありえないし、それぞれのタックルやテクニックや経験値も千差万別。ブラックバスを釣りたいという思考も目的がいろいろあり多種多様。でも、目的は「ブラックバスを釣る」ことただひとつ。
 どのような気持ちでどのような工夫でフィールドに入るのかは十人十色だけれど、狙う獲物はブラックバスオンリーというこの様々な理由とひとつの目的が、アングラー意識の不思議な協調性というか共感・信頼関係を生み出しているのです。何をどう工夫してどんな幸運に恵まれようが、釣れたブラックバスはリアルに1,200g!とか55cm!とか見事に数値化され、ビギナーズラックの55cmも、エキスパートの55cmも同じバス君なのです。
 世の中(琵琶湖周辺)には世界レコードを目論見、突き抜けた釣りを展開しているハンターもいれば、タックルやルアーのチューニングやコレクションに余念のないアングラーもいる。いずれも頭に描くのはブラックバス。
 一方、ブラックバス達はそんなアングラーの想いや狙いなど無関係で水の中でひたすらご自身の人生、いや魚生をまっとうしている。あるエキスパートアングラーが「バスフィッシングって結局、どんな試行錯誤をしようが、出会いと間合いなんですよね。」と言っていた。全く、バスフィッシングは面白過ぎるのです。