いいデザイナー。

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 「いいデザインとは何か?」をひとりで考えていると収集した情報の数だけ正解があり、到底、ひとつの結論に着地できない。着地できないことが正解だとは知っていてもです。この著者は青山学院大学経済学部を卒業し、複数社を経て、日本デザインセンターに合流されたそうです。現在はデザインとコンサルティングを基軸に多方面で活躍しておられる方である。4月23日第1版だから最新の書籍です。いつも書店に行くと、オキニイリのコーナーは徹底的にチェックしているのでこのような新鮮な書籍にノンリサーチで出会えるのは書店ならではのサプライズである。

 さて、この著者、さすがデジタルネイティブ世代の先端をロジカルに突き進んでおられる内容でした。その仕事ぶりは経済学の指標と類まれなるポテンシャルに裏付けられた確固たる成果を積み上げておられる。切れ味のいい分析はこの書籍に整理された言葉の何万倍もの実感と根拠と論理を感じさせつつも、本質・気質の魅力を失わない。なんとも魅力的な著者である。書籍だけの情報ではご本人のそれが分からないが、プロフィールの「車好き」という短いフレーズが、また、なんともいい感じである。

 私は車が好きではない。便利な道具だと捉えているが、好きではない。

 つまり、「いいデザイン」とはやはり「着地しないモノ」であるべきなんです。動き流れ続ける気流の中でいつまでも浮沈を繰り返し漂っているべきモノなんだと思います。恐らく、この著者(有馬トモユキさん)となにをどう展開させようが私自身との接点をつくる契機は限りなく0%だろうから、この書籍がこの著者との唯一の接点となるだろう。でも、書籍は、だから、書籍は、素晴らしい。