「SONG ONE」と「JUPITER」

 お盆休みはこちらの2本の映画を観ました。「SONG ONE」の制作費は7.5億円。一方、「JUPITER」は200億円。制作費用が映画作品の価値に比例しないことは言うまでもないが、自分本位に捉えると、心に響いたのは「SONG ONE」でした。
 当然、双方に世界のトップクラスの映画人が関わった作品であるにも関わらず、素人がそう捉えてしまうって、映画産業の難しさ、つまり、映画を観る人が多種多様であるゆえの難しさとなってしまうのです。7.5億円にしても、200億円にしても、まったく自分自身のビジネススタイルやポテンシャルとは無縁の蜘蛛の糸、いや、雲の上なので、大介、いや、次元の違う世界のお話とはいえ、映画ビジネスって難しんだ、成果物(プロダクト)をビジネスとして成功させるって、いろいろな条件や狙いの違いあって難しい世界だと思います。
 ただの素人映画鑑賞者でさえ、このような意見と思考が一人前にできてしまう以上、自身が鑑賞者、つまり、つくらない人から、つくる人へ移行した場合、同じ難しさに対面・直面するのだろと思います。多種多様なセオリーや法則の中に存在する定説を意識しながらも、自分の中だけにある意思や本質を尊重してこそ、つくる人の条件が整うのでしょう。

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◎映画「SONG ONE」

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◎映画「JUPITER」

 例えば「コンシューマ用途だけでなく、スマートフォンやタブレット端末が急速にビジネスシーンに浸透し始めています。インターネットに接続する機器として、紙書類に変わる社内情報伝達機器として、販売の現場をサポートする端末として、その可能性は大きく広がっています。では、こうしたスマートデバイスを自らのビジネスにどう活用すればよいのでしょうか。当セミナーではスマートデバイスの導入や活用範囲のさらなる拡張を考えている企業様担当者に向け開催されます。」という情報。すでに用意された「便利なツール」をコンシューマーからビジネスシーンへと強引にシフトチェンジさせようとする意図、そして、なにがなんでも紙から電子機器に目線を変えさせるための狙いを感じてしまうこの文章に、やはり、「ビジネスへの活用」という麻薬の強さを感じる。実際、アップル・ウオッチのことをほぼ指しているのですが、よくよく考えれば必要のないモノでも、文章で限定されれば、踏み込まされてしまう状況で、いかに自分の意思で踏みとどまるかが浪費と消費の境界線。

 最新のデジタルデバイスとて、つくらない人からつくる人に意識を移行できていれば、見極めも適正にできるのでしょう。何事も始めることは簡単です。しかし、続けることは難しい。そして、最も難しいことは終わらせることなのです。

 映画「SONG ONE」のラストカットが今でも目を閉じると鮮明に浮かびます。

 終わりは始まり、始めることとは終わらせることなのです。