「虫の虫」と「下町ロケット2」

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 養老さんはよくファーブルの話をその書籍の中でされることが多い。「バカ」や「自分探し」や「脳」や「解剖学」の話も楽しいが、やはり、養老さんに共感を覚えるのは「虫」です。養老さんは何故虫が好きなんですか?と出版社の担当者やメディア関連の人に質問されるらしいですが、「好きは好き。理屈などありません。」と答えているらしい。嫌いには理由があるが、好きなことに理由があるはずがないでしょうという理論、というか、そういう本質がさらに共感を覚える。誰かと何かを共有するために言語や理論が必要であり、自分の好きなことを自分ひとりで楽しむ上で、理論や理屈は必要ないということです。万象を思考の中の理論で包括しよう、収束しようとするが、そんなのできるはずはないし、道理も意味もない。自分の手が届くゾーンの中でコツコツと行動し何かを生み出すことが大切。虫や地球上の生物達がそうしているように。

 昨晩、「下町ロケット」のテレビドラマが完結した。あの話を11話にどう分解するのだろう?という心配があったが完結に半クールで終了した。なんとも原作に忠実なテンポと展開に痺れました。いかに人間の手で何かを生み出すということが素晴らしいか、いや、そんな曖昧な表現ではなく、手が生み出す価値意外に価値はないということ。素晴らしい物語、素晴らしい俳優、素晴らしいテーマ、最近希に見るテレビ番組でした。ということで、「下町ロケット2」です。物語「1」は「ロケット打ち上げ」に関連する人間ドラマでしたが、「2」は医療の現場をテーマにした物語のようです。しかし、阿部さんの演技の素晴らしさが光っていました。流れとして「2」の原作の本の中にも阿部さんが登場するわけですから、「テレビ」と「原作」の良い連鎖が成立しているわけです。

 なんで、実写映画「宇宙兄弟」の仕上がりはああなってしまったのだろう。同じロケットが登場する、宇宙への夢を語る物語なのに。

 余談ですが、昨晩、テレビで初めて映画「007」のCMを観た。一瞬だけD.クレイグが登場したので、「ミレニアム2」の映画のCMだと勘違いしてしまった。かなり、かなり期待していた続編だけに、「2」と「3」の映画化の話が流れたことでずっとモヤモヤしていたからでしょう。残念。「好き」の作用って、まずいろいろな理論・理屈を押しのけてイナズマのようにひらめくから取り扱いに注意が必要です。