初志貫徹。

 中学に入学し、初日、教室に入ると、黒板の上に「初志貫徹」という文字が貼ってあった。担任は野球部の監督さんでもある社会の先生だった。23年前、アクトの設立に参加した時、その言葉を筆で和紙に認め自分の部屋に貼った。

 長年、仕事をしていると、ずる賢くなってしまう。テクニックだとかノウハウだとか自分に都合の良い解釈で思考も行動もパターン化させる。言い訳ばかり上手くなり、何か挑戦をするにも、たくさんの言い訳を用意してから、動き出す始末。ただただ、失敗が怖いのだ。自分の能力が足りないことも、言い訳の対象になり、「老化だから仕方ないな」などと自分に嘘をつく。そんなのは仕事のテクニックでも人生の技でもない。

 「あきらめる」という言葉は本来「明らかに見る」という意味があるらしい。思考や行動を放棄したり停止したりする意味での誤用が多い言葉らしい。あきらめるのが怖いのだ。

 今更、「挑戦」だの「探求」だのと言ったところで限界点は見えていると自分の無力さを慰めるのか、何回も何回も原点に立ち返り、殻を破り老体に鞭を入れ、「目的」を再確認するのか。

 50歳を超えると、「初志貫徹」の言葉が妙に骨身に沁みる。

 恐らく、先生も同じ気持ちで教壇に立っておられたのだろう。