一調・二機・三声

 「一調・二機・三声」とは、言葉で相手に何かを伝えたい時の重要な3つの要素です。

 「一調」とは会話のテンポやリズムなど調子を整えることが大切です。伝えたい気持ちが先行して早口になったり、真意から逸れると当然、言葉のテンポは悪くなります。
 
 「二機」とはタイミングや間合いで、一方的に話しても伝わらないし、聞き手に終始しても、伝わらない。前体重が過ぎると間が詰まり、警戒心や不信感があると後ろ体重になり、間が伸びます。これでは適正なタイミングは成立しません。

 「三声」とは声の質であったりトーン(音程)で、伝えたいという気持ちを言葉で表現する際は、音程の「ド」よりも「ラ」が伝わるのです。気持ちに余裕がなかったり、真意から離れるとトーンは乱れるものです。その乱れが相手に伝わってしまえば、どれだけ美辞麗句を並べても理論理屈の裏にある真理は伝わりません。

 頭で理解しているつもりでも、これらを意識して行動しているつもりでも、しっかり伝わっているかは分かりません。

 心理学者アドラーは人間が抱えるストレスや心的疲労、そして、それらが引き起こすトラブルや失敗の原因は「対人関係」にあると言っています。確かに、「対人関係」が上手い人は、どこかなんとなく好感を抱いてしまうし、その言葉にも説得力があります。さらに、経験値や知恵が豊富で人間的な魅力、優しさや寛大さや誠実さがある人は、決して口を開かずともその佇まいがどこか魅力的です。ちょっとした仕草や小さいな身体の動きさえも好感に繋がるのです。意図的にそうしているかもしれない場合と、身体の芯から醸し出している場合があるでしょうが、多くの経験と機知を得た人ほど、無言で佇んでいてもどこか好印象を漂わせている場合うが多いと思います。

 だから、その上で、「一調・二機・三声」を実践できていると、正に「鬼に金棒」なのでしょう。

 いくら経験値が豊富で知識・知恵があり、熱意も探究心があったとしても、無言で商売は始まりません。それに主張や意図を言葉にして「伝える」ことを実行しながら、トライ&エラーで失敗を乗り越えて、っても単純な失敗ばかり繰り返しているようでは信頼を失いますが、それもで、怖気ず、さりとて開き直らず、曖昧な達観もせず、一手一手を丁寧に打ち続けることが大切なのです。

 長い長い、独り言でした。