反射神経。

 「反射神経」というキーワードで検索すると、「反射神経という名称の神経は存在せず、あくまでも「認識→判断→動作」という一連の流れ(スピード)のことを、私たちは反射神経と呼んでいます。」という説明文がヒットする。

 それに関連して「あなたの反射神経測定テスト」というサイトなどもいろいろある。

 さて、この「反射神経」。日頃はあまり意識しないが、早い人は遅い人と比較してどのような利点があるのだろう?ちなみに反射神経測定テストをしてみると僕の場合「0.2秒」という結果が出た。この数値は「普通」で、「0.15秒」前後をコンスタントに出せると早い人なのだそうです。

 中学生の頃、野球部に所属しながら陸上記録会の季節(夏)には100mの記録会に出るため練習をしたいた。田舎の小さい中学校だが、100mは校内で2番で50mは1番だった。記録は対したことがなかったが、とにかくスタートの反射速度とトップスピードまでの加速には自信があった。全国平均なら平凡な数値なのだが、「反応は遅い方ではない。」という程度の認識になった。

 デザインの仕事を始めて、この「反射神経」を強く意識する機会があった。それは、打ち合わせの際のお客様の反応や電話連絡を受けた時の反応速度だ。つまり、相手の会話がスタートで、その内容に対する返答が「反射」なのだ。経験不足や知識が足りないと適正な反応ができないし、気持ちや体調が優れていないコンディションでも、反応が鈍くなる。いくら相手の会話を事前に入念に想定できていたとしても、その通りに打ち合わせが適正に完結することはない。だから、いくら膨大な資料を用意して安心していても、予習を何回も繰り返し対応策を講じて打ち合わせに望んでも、あまり効果・成果はないということに気づいた。よりも、いかに相手の話をしっかり聞き、内容や論理、心情や真意をいかに言葉や表情から聞き取れるかという、50m走だと感じた。

 「勇み足」「フライング」「早トチリ」でトンチンカンな状況を招くこともあるし、こちらの理解不足でゴールを見失う場合も多かった。ただ反射神経が早いだけでは50mを走り切ることができないのだ。当然、「認識→判断→動作」の手順だから認識や判断を誤ると、誤った動作しか生まれない。ならば、多少反射速度は遅くとも確実性を優先する場合が多いのです。

 しかし、「反射神経が少し早い」という気持ちがこの確実性に悪影響を及ぼすのだ。未だにこの悪影響が体に染み込んでいるので、つまらない軽率な失敗することが多い。年齢と共に反射神経も老化しているので、いずれ、ちょうど良い加減になるのを今は期待している。

 結局、うさぎと亀の勝負なら、確実にゴールのテープを切れるのは亀なのである。つまり、あまり利点はないのだ。人生も仕事も単純な50m走ではないのです。