ホラー映画ベスト5。

 最近読んでいる本の中で心の中にある「恐怖や不安」は人類が地球上で繁栄した理由のひとつだと論述していた。恐怖や不安を察知する認知する分析する能力が警戒心や防衛能力を高め繁栄に繋がったのだ。この能力を獲得することができなかった種は危険を顧みず思考し行動し続けため滅んだと。原子力発電の問題で故郷の高浜が揺れているが、理論理屈で「恐怖や不安」を処理できるのも文明の利かもしれないが、根底にある「恐怖と不安」は消えることはないだろう。

 だから、人間は本能的に「恐怖や不安」を処理する能力が高い。むしろ、致命的でなければ、娯楽として楽しむことができる。脳は現実と仮想の区別がつかないらしいので、スイッチを入れて疑似体験程度であればそれを適度に欲するのである。そのひとつがホラー映画。著者はこのベスト5を選択していた。

 第1位「エクソシスト」、第2位「シャイニング」、第3位「サイコ」、第4位「羊たちの沈黙」、第5位「ジョーズ」である。いずれも映画の金字塔だが、僕は映画に対してどうしてもにつくり手目線(偉そうに…)で、どうしてもどうしても観てしまう部分が多く、純粋に「恐怖」を素直に感じる部分が麻痺している。だから、この5つは映画作品としての構造部分に気持ちが集中し過ぎて、本来の「恐怖」を調味料程度にしか感じられないのだ。あくまでもメイン食材は「映画の構造」になってしまい、「恐怖を楽しむ」という観点では不適合者なのである。

 だから、「SAW」などもあまり怖くない。むしろ、「カッコー~」や「ユージュアル~」や「ペットセマタリー」のようなアプローチの映画に人間の本質的な「恐怖」を感じてしまう。横溝正史さんの世界観からキングの世界観に魅了され現在に至っているので、ゾンビや悪霊や創造物よりも実際の人間心理の中にある機微・襞・レイヤー構造が怖い。また、SF映画やSF小説も大好きなので、実存する細菌やウイルスの脅威に恐怖を感じてしまう。

 故郷の高浜がチェルノブイリにならないことを祈りたい。