The Oxbridge Questions.

 ジョン・ファーンドン氏の著書で「世界一「考えさせられる入試問題」」がある。2週目の反芻状態になっているが、なかなかの一冊である。何が「なかなか」なのか?それを説明するには相当数の文字量が必要になりそうなので、もし、同じ書籍を読んだ方がおられたらぜひ談義に花を咲かせたいと思っている。取り立てて表題にもある「あなたは自分が利口だと思いますか?」に対する分析は多面的であり、深度があり重厚な論述だった。そもそも何故この書籍が読みたかったのかと、購入を決めた時の心情を振り返ると、「考えさせられる」というフレーズが心に残っていた。僕はこの「考える」という行動に興味があり、「考える」と「感じる」という言葉の相違点がとても気になる。それは、かれこれ学生の頃からだから、デザインの仕事を始める前に遡る。仕事中にも上司に「お前は何も考えていない!」「そんなアイディアではダメだ!もっと考えろ!」と言われ続けてきたタイプなので、この「考える」という行動の適正値を知りたかったのだ。その興味の火種が心のどこかでくすぶっていて、この本を知った時油を注がれ、小さな火がに強い炎になった感覚なのだ。

 最近、よく「考える」と「感じる」の違いについて考えて感じている。一般的な通念として「左の脳で考えて、右の脳で感じる」という解釈があるが、それは便宜上であり、もっと実態は、実際、脳の中や身体の中では複雑怪奇なことが起こっていると捉えている。まして、希望の大学に入るための入試問題にこの本のような問題が出たら、僕はどう解答していたのだろうなどと想像を膨らませるとジワっと冷たい汗が背中を流れる。僕が大阪芸大の美術学部に入学するための試験は「デッサン」「立体構成」「画面構成」の3つの実技と一般教養だった。この3つの実技についてはまた別の機会に説明したいと考えているが、この3つの能力はアート・デザインの世界で仕事を展開する上で必須のスキルである。つまり、僕はケンブリッジやオックスフォードには行かず、大阪芸大に行きたいと決意したから必然的に3つのスキルを試され、その門をくぐり現在に至っている。スキルを習得するためには実践しかない。そして、五感から得られる情報を元に「アーティスト」「デザイナー」「クリエイター」の自分を再構築する作業なのだ。この書籍を読みながら、そんな意識が心に現れた。

 「考える」と「感じる」の関係について探求するための攻略ルートにひとつ重要なハーケン(指標)を打ち込めた気分だ。