文章は読まない!?

 チラシやパンフレットやWEBサイトなどの制作企画についてお客様と打ち合せしている際、こんな言葉をよく耳にする。

 「文章は誰も読まないから少なめに。」

 確かにその意図や根拠は理解できる。僕も同じで、興味のないテーマや一見完成度が低そうな印象・予感を感じてしまうと、文章は頭に入ってこない。そもそも必要に迫られて資料なり書籍を手にしているのだが、必要性に偏り過ぎて本心本音で文章を理解しようとか、執筆された方に対して共感しようという気持ちが生まれないのである。まず、「興味のないテーマ」については、ランダムに100本のテーマから興味のあるテーマを選ぶという状況になった場合、僕の興味ゾーンはとても狭く、2~3本だろうと推測する。これは「ランダムに」という設定次第なのだが、それほど多様な情報が世の中には存在していて、実際にタテマエ抜きにしてという条件だったら、2~3本以下、1本あるなしの状況だと捉えている。
 むしろ、それほど好奇心を萎えさせる情報が世の中には多いという実感だ。
 しかし、デザインの仕事で制作する立場になれば、第三者に対して、「はい、興味がなければ仕方ないですね。はい、ご一読ありがとうとざいました。失礼します。」と引き下がるわけにはいかない。なんとかして興味を持って頂き、共感してもらえる工夫を講じなければデザインの仕事の価値がない。
 では、不特定多数の第三者に興味を持っていただくためには、どんな戦略が有効なのか?理論理屈で考え始めると必ず消化不良が発生する。「ほんとにこれでいいのか?」「この程度の表現で振り返ってもらえるのか?」という疑心暗鬼が渦を巻き始める。結果、この思考からは何も生まれず、手元には不毛な理論理屈の残骸が残る。
 だから、感覚に訴求するための「読ませる文章」「読ませる工夫」「読ませる表現」を成果物に実装することがデザインの仕事なのだと捉えています。