スペンサー・ジョンソン

 昨日、スペンサー・ジョンソンの「チーズはどこへ消えた?」という著書を買って読んだ。何気なく本屋をウロウロしていて気になり、序文あたりを読んで購入を決めた。素敵な序文だったのでかなりの期待値で読んでしまったので、最後のオチは可もなく不可もなくだった。しかし、これは私の感想である。もっとこの著者の言葉を心底求めている人にはドンピシャの物語なんだろうし、物語の中盤戦以降のまとめ方は、さすが「全世界2,800万人」が読んだという実績を彷彿させる。しかし、それでも、想定以内だった私の分析はこうだ。

 かなり挿絵に助けられているような全体的な印象で、むしろ、文章と紙面づくりのバランスがとても心地良い。何よりも「小人」という設定や物語の中の「チーズ」の存在感がテーマを優しくゴールまで誘導してくれる。そのリズムというか、著者の姿勢・本質の部分がなんとも心地良い。内容(文章)と紙面づくりのバランスが絶妙なのだ。このテイストは参考にしたい、大きな収穫だったと捉えています。

 結局、結果、自分が何を伝えたいのかが整理できた段階で次に練らなければならないのが「伝え方」の技術的な部分と姿勢(本質)の部分なのだ。簡潔であること、分かりやすい言葉選び、文体の抑揚・リズムをバランス良く整えること。ただ、この作業は過剰に意識し過ぎると効力が無くなり、「あたり」を弱めにするとボロが出て意図が劣化する。良質な選択をするためにも、何回も何回も仕上げて直す作業を繰り返す必要がある。絶対に最初から上手くはいかないことは分かっていても、やればやるほど良質な選択が遠くなることもあります。じゃぁ!僕の「チーズ」をひらめくにはどうすればいいんだ!などと焦ると、当然、「チーズ」は見つからない。などと、このような観点で改めてこの書籍を観察・分析してみると、やはり、秀逸な一冊なんだなぁ~、となります。いろいろ考えを柔軟にしてくれた素敵な一冊です。

 ま、さらりと読めるし、読み方次第で深堀できる「握力強化グリップ」のような本です。