質問と相談。

 日本語は「意見」なのか「感想」なのか「警告」なのかが分かりにくいと言われている。語調を上げている人でもよくよく聞けばただの「感想」だったり、控えめに言葉を選んでいてもけっこう的をついた「警告」だったりする。姿勢や気質でも伝わり方が変化するので、言葉をアウトプットする時と同じぐらいインプットする時は慎重に聞かなければならない。デジタル時代、電子メールやブログやSNSなど以前より私達は文章をアウトプットする機会が増えた。しかし、文章の構造や構成や書き手の意思や本音をしっかり聞き取れているだろうか?情報発信全盛時代に有益な情報のみを抜き取るテクニックがなければ、雑然とした情報や無益な情報に大切な時間を奪われ、極端な場合、その言葉に傷つくことさえある。

 そんな時代、「質問と相談」をするにも良質な言葉をアウトプットしなければならない。「質問力」というタイトルの書籍も発行されているし、「相談」に限っては有料無料問わず、数多のビジネスモデルが生まれ続けている。「質問と相談」に良質に適正に対応できる知識と経験値とテクニックがあれば飯が食えるのだ。ただ、「質問」と「相談」では目的が異なる。「質問」の目的は「正解」で、「相談」の目的は「共感」だ。たったこれだけの違いを区別できないだけで大きなトラブルになったり相手に不信感を与えてしまうことがある。

 相手は分かりきった「正解」がほしいのではなく「良質な選択」がしたいだけなのに、常識的なセオリーをダラダラ捲くし立ていればストレスが生まれるし、対話が成立していない相手に「質問も相談」はしたくなくなる。立派な美辞麗句のメールを読んでも落ち着いた言葉を聞いていても、「正解」を押し付けられ、無理やり共感を求めている場合が少なくない。ここがとても大切だ。良かれと思っていることが必ずしも良質であるとは限らないのだ。日本語は難しい。