電子タバコ。

 日曜日、長浜市内の建設機材や住宅設備の総合展示会に伺った。あいにくの雨天にも関わらず、会場は多くの関係者で熱気を帯びていた。業者関連の参加者が多いと聞いて会場に足を運んだのですが、2階のお食事休憩コーナーには多くの家族層がポテトや焼きソバなどの軽食を食べて設置された約50席は満杯だった。40社以上の業者様がそれぞれ順路にブースを構えて、いろいろな商談が展開されていた。僕が伺った少し前には「まぐろの解体ショー実演」があったらしく、担当者のお話ではその時は2階会場は凄まじい人だったらしい。確かに「まぐろの解体ショー」も実演を観てみたいという気持ちはあったが、会場の写真や映像を撮影することが目的だったのでそのタイミングはずらした。一通り1階と2階の会場を撮影後、2階の隅に設置された「喫煙コーナー」で休憩しようと丸い椅子に座った瞬間、JTの営業マンの方が近づいてこられ「電子タバコ」のサンプルを勧められた。

 知識としていろいろな電子タバコが出回っていて、喫煙者の方が実際に購入された製品を見る機会はあったものの、自分自身、一回も電子タバコを吸った経験はない。その営業マンの方が「どうですか?興味はありますか?」と聞かれ、「はい、あります」と返答すると、早速、いくつかサンプルを持ってこられ、「高温タイプ」と「低温タイプ」の特徴や価格を説明され、それぞれのタイプを吸ってみた。確かに説明されていた通りの匂いや吸った感覚で、これで匂いも99%なく、身体への害がないとなれば、喫煙者の皆様がこの製品を購入する理由は実感できた。そして、コストもほぼタバコと同じである。つまり、この製品は喫煙者の方がなんらかの理由でタバコを吸うことにストレスを感じている状況を少しでも緩和・払拭することが目的の製品なのだと実感できた。

 そこで、その営業マンにこの製品の購入者は「喫煙者のみですか?」と質問すると、少し残念そうな表情を浮かべ「はい、そうですね」という返信。この製品を買う方はそれまでタバコを吸った経験のない方はほぼ0なのだ。で、現在、JTさんのデータで国民の何%が喫煙者なんでしょう?と質問すると、これもなかなかの辛い表情で「現状は10%前後ですね」とのこと。以前、高度成長期には「60%」という喫煙者の割合だったようですが、それが激減して10%に落ち込んでいるとのこと。この状況で仮に電子タバコの販売台数が増えても、それは従来のタバコを吸っている人からの移行であり、絶対数は増えていない。むしろ、減少の一途なのだ。そこでその営業マンは搾り出すように「いかに、このビジネスを延命させるかが現状の課題なんです」と。なんとも厳しい状況である。いつか近い将来、日本でタバコを吸える空間は限りなく0%になるだろう。当面、僕は辞めるつもりはないのですが、世論が法律が「全面禁止」となり、JTさんも販売を停止するような状況になったら、僕はタバコを止めるんだろうか?それとも、タバコを楽しめる国へ移住するのだろうか?

 たががタバコ、されどタバコなのである。

 本当のストレスはタバコという存在が煙たいということではなく、そういう空気が本質なストレスなんだ。ストレスを軽減させる目的のタバコで、逆にストレスを増殖させていては本末転倒だが、どうやら、タバコはそういうアイテムになりつつあるのだと痛感した。