デザインバリエーション。

 確かにチラシを制作する際、ネットで検索すればたくさんのテンプレート(aiデータ)がダウンロードできます。これらのテンプレートはプロのデザイナーも活用しているでしょうし、デザイン案に困った時などは僕も何回も助けられています。また、「チラシデザイン」で検索すればいろいろなテーマのデザイン事例画像がたくさんヒットするのでアイディア出しの際はとても助かっています。以前ならば、街角で集めてきたチラシやデザイン年鑑などを見ながらラフデザインを考えていたのが、ブラウザで検索して気に入ったチラシデザインをプリントアウトして、それを見ながらアイディアを頂戴するわけです。だから、ネット環境とイラストレーター(ソフト)があればチラシデザインは比較的簡単に誰でも制作可能。

 そんな世の中になっちまったんですが、よく相談を受けるのは「デザインバリエーションがつくれない」というご相談です。1案目は制作できるのですが、2案目がつくれないというご相談です。確かにオーナーがご自身でデザイン制作をされる場合は最終決定を自分ですればいいだけなのですが、担当者様が社内会議や最終決定権のある方に決めてもらう場合、どうしてもデザインバリエーションを制作する状況が多いようです。実際、私もチラシのデザインの制作依頼を受けると2~3案を制作させていただくケースがあります。それは、1案だけでは決めかねてしまう状況が非常に多いのです。この相談が非常に多く、仮に言葉でデザインの考え方や具体的な表現手法をお伝えしても、オリジナルデータを制作するという作業のハードルが高くなると感じておられます。テンプレートからA案を制作することはできたが、B案がどうしても出てこないという状況です。1案目はサンプルデザインやテンプレートに少しだけ手を入れれば仕上がりますが、同じクオリティーで別案を制作するとなるといろいろなコツやポイントが必要なのです。基本的な考え方やアイディアなど観点を変えなければなりませんし、デザインに盛り込むパーツ素材も同じでは別案になりません。色やフォントや画面のレイアウトだけを変えただけではただの展開案になってしまうのです。経験と技術が必要な作業なのですが、それはなかなか口頭でお伝えできない。テクニックとしても文章や言葉では伝えられないのです。また、デザイン制作のテクニック本もたくさん出版されているのですが、目的やテーマにマッチしたテクニック本も意外と少ないのです。これは実際に長年、自分自身もそういう都合の良い本を探し続けてきたのでよく分かる現実なのです。

 じゃあ、そういう本を僕がつくれればニーズがあり売れるのかもしれませんが、それはそれで大変だろうと思います。そんな都合の良い、便利で価値の高い本があれば、まず、僕が買いたいぐらいですからね(汗)。