2019年09月 アーカイブ

デザイン代の定義。

 チラシやポスター制作でも、ホームページ制作でも必ず「デザイン制作」という行程が発生する。しかし、印刷代(用紙代や印刷機オペレーション費用など)と比較して、デザイン代は無形の費用であり、成果物に対する具体的な技能や知識が数値化できない。単純にデザイン制作に3時間かかったからと「時給計算」すれば適正価格が算出できるというわけではない。センスがありソフトウエアのスキルが高い人であれば1時間で良質なデザインが仕上がる場合もあるし、手が変われば12時間かけても同レベルのデザインが仕上がらない場合もある。だからと言って、単純にデザイン代を時間計算してしまうと、良質なデザインが平凡なデザインの1/12という費用設定になってしまう。つまり、「デザイン代」の定義は数値化できない方程式が存在しないということになる。でも、デザイン代を支払う側にしてみれば、これでは納得できない。もし、自分が発注する立場なら「このデザインで3万円!?」となるか、「このレベルまで完成度を上げていただき3万円ですか!」となるかは、「デザイン」次第なのだ。つまり、デザインは成果物に対して必ず負荷・実装される作業費用だが、数値化せずに、実在する成果物と常にセットで解釈・理解していただくのが正しい取り組み方姿勢なんだと思います。数値化できない、理論化できないが、感覚として「とても独自性がありますね!」とか、「ここまでチューニングしていただけたのですか!」とか、「これはなかなかの完成度ですね!」などという評価を頂くことにつくり手は全力を注がねばならないのだ。これはなかなか言葉で言うほど簡単な取り組みではないが、この意識を誤り、時間計算や既製の方程式や世の中の相場価格など、何かしらの基準値を設定して理解を得ようとしても、そもそも曖昧であるべきゾーンのお話なので、他の事例や比較対象が適正に限定できない設定値なのです。理解を強要するのではなく、感覚的な共感や信頼を得ることがそもそもデザインの仕事(特性)なのですから。

働くとは?

 株式会社デザインプラスの中田俊行さんからいつも素晴らしいメルマガを頂く。その内容はまるで良質な書籍を読んでいるような情報ばかり。うんこのようなメルマガがいっぱい届く中、中田さんからの情報は黄金のように輝いている。

 本日は「働くの語源」についての情報だった。
 それは下記の通り。

「働く」の語源は「端楽」と書き、
端(はた)を楽にするという意味から来ているんだとか。

周りの人を楽にしてあげることが
「働く」ことの元々の意味なんですね。

今は利益追求の為という感じで、
意味合いも随分違うように思いますが、
「端楽」という言葉には商売のヒントが詰まってますよね。

ここまで。

 なんと、素晴らしい解釈でしょう。身体のどこかから新しいエネルギーがグツグツと沸いてくるような感覚です。中田さん、素晴らしいです。

マスターショット100。

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 私達は毎日何気なく見ている風景をとてつもなく何気なく見過ぎている。撮影の仕事になればスイッチが入り、モチーフを真剣に見ることができるが、それ以外、スイッチがオフの時はよほどの興味の対象でない限り、注視はしない。美しい風景が連続する映画作品を観て、「どこにこんな美しい風景・情景があるんだろう?」などと感じてしまうが、よくよく観ると、よほどの世界遺産や空撮以外は「普通の風景」であることが多い。それを監督はただ「美しく切り取っている」だけなのだ。天候・時間帯・アングル・コントラスト・レンズワーク・動きなどなど、感覚と機材をフルに活用した結果、何気に見えている風景の中からベストショットを切り取っているのだ。ヨーダが言っている「知識を捨てる」ほど知り尽くした時、ようやく広大な道(世界)が広がっていると。つまり、まだまだ、知識も技術も経験も足りないのだ。技術か?知識か?という選択、理屈か?感覚か?という選択、理論か?経験か?などという選択に悩んでいるうちはこれ全て「足りない」状態なのだ。まだまだ貪欲に漁り続けなければならない。

防音ボックス制作。

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 これはネットで購入した防音用ボード(スポンジ)です。これを4mm厚の板に貼り込み、上面と3面を囲い簡易的な防音ボックスを作ります。本当なら防音・遮音ルームを社内に作りたいところですが、YTで「防音室をつくろう!」という動画を見たら、結構本格的な工事が必要で、床面からクッションシート・防音シート・遮音シートを敷き詰めてなんて、やってられない。さらに、マイクのコードもかなり神経質に配線しなければ音が入ってくるとのこと。確かにコンデンサーマイクで夜の静かなタイミングでも国道を走る車の音やハブのファンの音を拾う。ならば、窓に防音カーテンを、などとも考えたが、カーテンは意外と高価なのです。だから、ならば、防音対策としてマイクを囲む防音ボックスをつくろうと考えました。どこまで余計なノイズがシャットアウトできるか分かりませんが、ま、何事もやってみよう精神でつくってみようと思っています。となれば、さらに高感度コンデンサーマイクが欲しくなるでしょう。マイクの機能・性能もほんとにピンキリなので予算と相談しながら、よりよい機材を増やしていこうと思っています。

仕事場の整理。

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 少し仕事場を整理しました。あまり使っていなかった高い棚を奥に移動して、低いラックを窓際に移動しました。できるだけ窓を遮らないように配置して採光がよくなると、ちょとだけ気持ちもスッキリします。毎日、仕事中に目に入る風景だから気になる部分を少しずつチューニングしていくこともクリエティブワークに効果があります。毎日、目に入ってくるモノや場面ってとても大切です。

インドア派?アウトドアは?

 さて、クリエイティブな仕事にはインドア派が向いているのか?アウトドア派が向いているのか?という質問をよくされる。というよりも、「スギノさんはデザインの仕事をしているのに、アウトドア派ですよね?」という違和感がどうも傾向として多い。ということは一般的なデザイナーやクリエイターのイメージは「インドア派」なのだ。アナログ時代もデジタル時代も会社の中でコツコツ仕事をしている印象があり、クリエイターがテレビドラマなどで描かれている場合、カッコいいシンオプルなオフィスでイケメンがスマートにマッキントッシュに向かっている、みたいなイメージが定着しているようだ。まして、インターネット時代、WEBデザイナーやプログラマーともなれば、完全無欠のインドア派。太陽の光とは無関係な生活のリズムで夜も遅く、とにかく、キーボードに向かってモニターを凝視しているイメージ。しかし、デザインの仕事はそれだけではない。打ち合わせや撮影や企画会議となれば外に出るし、写真撮影でも映像撮影でも良質なモチーフが会社の中にあることはない。確かに何百点という商品撮影をする時はスタジオに篭るが、そんな仕事は極一部。「ネットとメールだけであなたも年商1000万円!」なんて人は1%ぐらいだろう。99%はガツガツ・ゴソゴソ・テキパキと外に出て仕事に対応しているわけです。

 だから、僕はバス釣りや登山やクライミングやゴルフが趣味なので外に出ることは多いのでインドア派かアウトドア派かと聞かれれば、好きなゾーンは「アウトドア」である。作業やオペレーションは当然、パソコンの前だが、それ以外はパソコンの前にはいたくない。外気の中で身体と五感を動かしている状態が好きである。

お仕事7アイテム。

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 これが僕の仕事になくてはならない7アイテム。

 まず、ホッチキス。これが小型だが既製の針が2セット入れることができる上、紙を針で固定した際にふくらみがなくフラットに固定できる。また、構造上、かなり厚い紙でも普通の力で針が貫通する。とても重宝してる。

 中央の円形は鉛のペーパーウエイト。これは5個持っているのですが、仕事中は伝票やカラー出力や見積書などが机の上に氾濫してしまい、作業行程上、一旦完了した場合はこのペーパーウエイトで押さえて進行状況を管理している。仕事が完了すればファイリングしているが、進行中は複数の書類が発生するためこれで固定することで、一旦、確定(整理)させるという効果がある。

 その左となりが「アクト」のハンコ。アクトを設立した時から使っている。ほぼ、26年間、クライアント様に提出するカラー出力やお見積り書、そして、納品する印刷物の梱包には必ずこのハンコを押している。なんてことのなこだわりだが、これもひとつのつくり手のアイディンティティーなのである。

 下段は右からメモやFAXを一旦閉じておくためのクリップ。このクリップもこのタイプの大きなクリップから木製や金属製のクリップまで10種類以上持っていて、原稿をカテゴライズ(分類)している。その隣がのり。仕事中は電話やひらめき毎にメモをすることが多い。営業中でも何かアイディアがひらめいたら必ずメモをしているので、一日に30枚近いメモが溜まる。それを分類してノートに整理する際、こののりでノートに貼り込むのが一番整理できる。ベタな作業ではあるが、アイディアやひらめきを時系列に整理するにはノートに貼っておくのが一番。貼り込むことで意味が生まれ、後で確認する際もひらめいた前後関係が(流れ)一目瞭然になるのでとても効果的だ。次ははさみ。このタイプは東京時代からずっと使っているタイプ。紙を裂く(切る)場合はカッターでもいいが、はさみでちょきちょき切るという動作の方が作業が顕在化するので僕は好きです。

 そして、最後はこのペン。なんてことのない¥1,000のボールペンだが、4色のボールペンとシャーペンがこれ1本に実装されている。このタイプ、もう何本買ったか記憶していないほどだが、意外と壊れる。ペンは仕事にはマストアイテムなので使う頻度が高く、乱暴に使うために、ま、消耗品として捉えているが、ペン選びのこだわりは独自性(稀少性)だ。普通、このタイプは取っ手の部分がラバーか木製かプラスチックが多く(全てもっているのだが)、最近これを最寄の書店で発見した。普通のペンがディスプレイしているコーナーではなく、ビジネスアイテムがディスプレイしている棚でおしゃれなガラスコップに入れてあった。この取っ手の赤色の金属部分が目に留まり、この同じタイプを販売コーナーで探すがない。店員に確認してもどこにも並んでいない。で、店員さんに聞くと、これはメーカーの試作品らしく、展示用でこれ1本しかないとのこと。なるほど、だから、見たことがなったのだ。とにかく、書店に行けば新しいペンがないか必ずチェックしているので新しい製品で良品は絶対に見逃さない。ペンってただの筆記道具なのだが、メモにしてもデザインのラフスケッチにしてもたわいもない落書きにしても、手に持った時の感情・感覚を大切にしたいと考えていて、色や質感やタッチがとても大切なのだ。「弘法ならば筆を選ぼう!」主義なのである。ということで、この7アイテムの中ではこの試作品の「赤い取っ手のペン」が一番のベストアイテム(お気に入り)です。

映画「アリータ」。

 映画「アリータ」のBLが昨日到着。早速、3回目の鑑賞。コミックスの初版からこの物語をとことんエンジョイしている僕にはコミックスやアニメーションからの一連の流れがあり、本城さんの世界観が素晴らしい映像で再現されているだけで痺れている。しかし、カミさんは原作のコミックスもアニメーションも観ていないし、ただの「キャメロンが創った日本人が原作のCG映画」なのだ。だから、公平に客観的にCGのクオリティーやキャラクターの魅力や物語のテンポとディテールについて評価している。ここにとても大きな格差を感じた。僕にしてみれば、もうこの映画はどこにでもある普通のCG映画ではなく、アリータ(ガリィ)に対しても底の底まで感情移入(シンクロ)してしまっているので是非を問うなど言語道断なのである。これがディープなファンの怖いゾーンで、もう、ニュートラルな視点・観点が完全に消失しているのだ。「違和感」さえ、ひとつの魅力なのだ。3回観たがまだまだ足りない。

強い当たり。

 恐らく、強い当たりが欲しければ、「飯」「健康」「ゴシップ」「コンプレックス」「性欲」「投資」あたりをテーマにすればいいだろう。ネットやメディアの情報は視覚情報と聴覚情報に制限されているので、これらのテーマが不特定多数には刺さりやすい。メディアの中で情報を循環させて代価を得る場合はこれらがメインデッシュとなる。当然、デザインの仕事もこのルート上にあるために充分に意識しなければならない。例えば「3Bの法則」を意識して「美人」「赤ちゃん」「動物」あたりをメインビジュアルにしておけば、どんな情報でも鮮やかさを実装することができる。しかし、独自性の多様性の時代、しかも、映像手法が先行する現代において、その辺で思考を固定するわけにはいかない。「その先」と「それまで」、つまり、良質な「プロローグとエピローグ」が重要なのだ。事は常に目まぐるしく変化している、その前とその先だ。断片的な「美味しい」や「可愛い」や「儲け話」では少しずつ興味が鈍くなっていくのだ。だから、何かで「過去」と「未来」を繋げる必要がある。僕の場合、それは「デザイン」なのだ。どの角度から押してもびくともしない自立性と微妙な状況の変化に対して瞬時に反応できる柔軟性が欲しい。思考で解釈すればこれはまったくのジレンマ・パラドックス・二物だが、感覚で解釈できれば必ずひとつの成果物が生まれると信じている。

ロケ録音用ポール。

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 そして、こちらがロケ撮影での録音の際に使うポール(3.5m)です。このポールをチョイスするまでにはかなりのポールを検討しました。長さ・重量・スペック・価格です。1本、YT動画で10分ほどお話をしたいぐらいの製品を検討しました。決め手は長さと価格でした。しかし、このポールだと変換ネジが必要なので、手元と先端には変換ネジ(オス・メス)を付けています。ま、少人数でロケ撮影をする時はこのポールを三脚に固定したいので、どうしても3/8の変換ネジが必要でした。重量は結構重いですが、耐久性なども考慮するとこの1本になりました。

 となれば、最後の大物は「B帯のワイヤレスシステム」と「インタビューマイク(高感度ダイナミックマイク)」です。すでにあたりは付けていますので、さらに、いろいろなレビューを確認した上でベストワンをチョイスしたいと思っています。

 これら録音機材が揃ったら、あとは、カメラ関係です。単焦点の広角マクロとそこそこの望遠(300mm)あたりを2本、入手しようと思っていますし、超マクロ用のレンズがあるので、標準レンズに付ける予定。さらに、モチーフに寄る場合はマイクロスコープが必要ですが、これはまだ最後の最後の検討で充分だと思っています。それよりも必要なのは「NDフィルター3タイプ」です。これはカメラのサングラスのようなモノで、外光でレンズに入る光量を適正に減光し、しぼり(F値)をできるだけ下げて、美しいボケ足をつくりたいという狙いです。つまり、望遠レンズ本来の絵が欲しいわけではなく、近距離でのボケ足を外光の中でつくるためのアイテムとなります。

ナレーション録音機材セットアップ。

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 ま、チープな機材ばかりですが、これでコンデンサーマイクでの比較的自由度の高いナレーション(アフレコ)録音が可能になりました。このセットアップまでにいろいろ試行錯誤してきましたが、決め手はファンタム電源供給用のアダプターです。ただ、これではモノラル1本しか録音できないので、せめて4チャンのミキサー機能がついたレコーダーが必要だと思っています。ミキサーを経由するという選択肢もありますが、ミキサー付きの方がロケ現場では便利だというレビューを信じたいと思っています。

防音・遮音ガード。

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 こちらはコンデンサーマイク用の防音・遮音ガードツール。あくまでも簡易的なツールですが、実際、ICレコーダーで録音状態にしてヘッドフォンで確認すると、なかなかの防音効果がありました。防音ルームの中と比べると若干ノイズは拾いますが、波形データでも確認しましたが、このレベルならあとの整音作業でなんとでもできる品質でした。でも、念のため、この防音ガードの上面・背面・左右側面の4面を少し大きめの防音シートを貼りこんだボックスで囲もうと思っています。防音シートのみを別売りで購入して、中での反響を軽減させるため小さな穴の開いた少し厚めの板でDIYしようと思っています。

 あとはミキサー付のレコーダーに接続して録音し、SDカードでPCへという手順です。

 録音なんてカメラの同録音でいいじゃんという解釈もできるのですが、やはり、セオリーとしてナレーションやアフレコはコンデンサーで入れたいのです。あとは3.5mのマイクポールを購入したので、ワイヤレスマイクシステムが到着次第にロケに出て、ピンマイク・ダイナミックマイク・ガンマイク・バウンダリーマイクの4チャンネルをミキシングしながら、レコーダーで録音できれば磐石となります。これで「ロケ撮影」も「スタジオ撮影」もある程度の録音機材は揃いました。

ファンタム電源アダプター。

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 これはコンデンサーマイク用へファンタム電源を供給するためのアダプターです。これまではCUBASEのインターフェイス(UR242)から直接ファンタム電源を供給しながら、ナレーション録音していたのですが、いちいちCUBASEを起動しなければならないし、もっと、簡単にコンデンサーマイクでの録音をするためには、何か方法がないだろうかとネットで検索したら、このアダプター商品に辿り着きました。他、屋外用として電池式のアダプターもありましたが、単3電池なので電源供給が不安定になるなどの症状が商品レビューに書かれていたので、まずは、安定した電源を供給しながら、録音機材はPCではなくICレコーダーでできるようにとこのアダプターを購入しました。

伊吹山登山のおまけ映像。

 これは下山途中の五合目あたりからの山頂です。この時は雲も少なくとてもキレイな山頂風景でした。びわ湖もキレイでした。

伊吹山へ。

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 昨日はひさしぶりの伊吹山。陽射しはけっこう強かったですが、山麓はそこそこの風が吹いていたので、登りは意外と快適でした。山頂で食べた味噌ラーメンの美味しかったこと。やはり、食事の価値を決めるのはTPOが重要です。あまりにも美味しすぎてスープもすべて飲み干しました。下山、5合目あたりから風がなくなると体感気温が上がり、息が上がってしまいましたが、ま、もう少し苦しむかなと思いきや楽しい伊吹山登山でした。さすが、フルマラソンに参加している友人だけに登りも下りも息はまったく切れず、「タバコを辞めたらもっと快適に登れるで!」というアドバイスはスルーして、必死で相棒のペースについていった(ひっぱられた)登山でしたが、心地良い疲労が残るとても楽しい一日でした。

グルート君。

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 とにかく、すべてがかわいい。

多様性と独自性。

 多様性と独自性を持った人材を育成するために海外を拠点にいろいろな事業やプロジェクトが取り組まれているらしい。その新聞記事には東南アジアで「多様性と独自性」を習得するためのプロジェクトに若い人材が集まっていた。なるほど、「多様性と独自性」か。僕も機会があれば、海外のこのタイプのプロジェクトに参加したいものです。最近、このタイプのプロジェクトをベトナムで受けて、帰国された大学生さんからご連絡があり、結果報告を近日、直接お会いして拝聴する予定なのですが、すでにその方はプロジェクトに参加する前から「多様性と独自性」は充分に持っておられました。つまり、「多様性と独自性」とはそういうモノなので、机上の座学で習得できるタイプの能力ではないと思います。重要な部分は「何故、多様性と独自性が大切なのか?」という背景の部分です。この部分を放置してパソコンにソフトウエアをインストールするような感覚で「多様性と独自性」が習得できるとは思えない。

BGMづくり。

 「映像制作」で撮影機材を揃え、「撮影技術」を極めることはとても重要です。良質な映像素材があれば成果物の品質は高くなります。「撮影技術」と言っても多様なので機材を揃えて、基本的な技術だけを習得すればいいわけではない。やはり、撮影現場での応用や機転・インスピレーションが映像素材の品質を引き上げるからだ。しかし、現場は様々なトラブルや想定外のハプニングがあるため、目的の映像素材を撮影するには、かなりの知識と経験と技術が必要。

 しかし、映像撮影技術が想定内に整ってきても、次は「録音」という大きな壁が立ちはだかる。「映像制作」において感覚では50%が「音」の完成度で決まるからだ。いくら映像が良質でも「音」が悪ければ50%は足りないのだ。デジタルソフトで「ある程度」修正・編集できるという部分もなくはないが、やはり、つぎはぎのデジタル処理を入れた音は劣化するし何かどこかモノ足りないのだ。それは、道理や理屈ではなく、実際、ヘッドフォンで聞いた時の感覚で評価すると一目(耳)瞭然。で、映像も音もそこそこの素材が撮影・録音できたという状況で、次はやはり「BGM」だ。

 この「BGM」がなかなか、実際、編集する状況で、もしくは「映像制作」の初期の段階でかなり悩ましい部分だ。出来合いの「BGM素材」は氾濫しているから、有料無料問わず、「そこそこ」の「BGM素材」は確実に存在する。例えば海外のサイトで年額数万円でダウンロードし放題というサービスもあるし、勿論、国内の無料DLサイトでも多く存在する。「多く」と言ったが感覚的に「無数」に近い数が存在している。それぞれのサイトでカテゴリー別に整理できている場合とまったくランダムにひとつひとつ視聴してリサーチする場合、いずれにしても、ドンピシャの「BGM]にたどり着くには相当の(想像以上)の時間が必要だ。「BGM」のリサーチって完全に感覚が優先するので、理屈や道理や方程式が適用できない。また、リサーチしている時の気分次第で「なんでこれを選択した!?」という「BGM」をDLしてしまう場合が多いのだ。長年、この作業を繰り返してきて、この作業、かなり非効率だと感じ、現在、50%ぐらいはCUBASEでオリジナルを制作している。ある程度のミックスを書き出して、あとはAUDITIONでチューニング(微調整)である。この方法だとまず著作権の問題は完全にクリアしているし、イチから作る手間はあるもののソフトとミキサーと手に馴染んだ楽器(鍵盤とレスポール)があれば、意外とイメージ通りに「BGM」が完成する。僕の感覚だと、DLサイトで探す時間と比較するとオリジンル「BGM」を完成させる時間は1/5ぐらいだ。ま、自身のセンスやテクニックで完成度は決まるが、何時間もかけてDLサイトでリサーチして、あまり納得のいかない「BGM」を選択するよりは、はるかにイメージにマッチしている。制作初期の段階では効率も悪いし、音源素材も足りない状況があるものの何回も制作を繰り返していると、それなりにお気に入りの音素材も編集テクニックも蓄積し、自分なりのテクニックも見えてくるので効率が上がってくる。

 やはり、結局、なんでも自分を納得させるには自分でつくるのがベストです。