マスターショット100。

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 私達は毎日何気なく見ている風景をとてつもなく何気なく見過ぎている。撮影の仕事になればスイッチが入り、モチーフを真剣に見ることができるが、それ以外、スイッチがオフの時はよほどの興味の対象でない限り、注視はしない。美しい風景が連続する映画作品を観て、「どこにこんな美しい風景・情景があるんだろう?」などと感じてしまうが、よくよく観ると、よほどの世界遺産や空撮以外は「普通の風景」であることが多い。それを監督はただ「美しく切り取っている」だけなのだ。天候・時間帯・アングル・コントラスト・レンズワーク・動きなどなど、感覚と機材をフルに活用した結果、何気に見えている風景の中からベストショットを切り取っているのだ。ヨーダが言っている「知識を捨てる」ほど知り尽くした時、ようやく広大な道(世界)が広がっていると。つまり、まだまだ、知識も技術も経験も足りないのだ。技術か?知識か?という選択、理屈か?感覚か?という選択、理論か?経験か?などという選択に悩んでいるうちはこれ全て「足りない」状態なのだ。まだまだ貪欲に漁り続けなければならない。