「DR.SLEEP」への期待。

 近年、スティーブン・キングの作品はどこかパターン化している印象を受けていた。充分に楽しめるのだが、昔の作品のような心を鷲づかみにされる感覚は消えていた。偉そうな言い草ではあるが、それほど昔の作品は凄まじかった。ま、読み手(僕)の感覚が老化してイマジネーションが鈍化しているから若い頃のように心が震えなかったのかもしれない。もし、この年齢で「キャリー」の原作を手にして読み始めても同じバイブは得られないのかもしれない。

 しかし、ここ最近(10年間)の作品はエンタメ的には覚醒し、まるで錬金術のようなテクニックで押し切る戦略という印象があった。一般的には「ホラー」ジャンルで映画になればビジュアルとサウンドが先行するため、どうしてもグロいシーンが印象に残る作品が多くなってしまうが、実はキングの怖さは絶対的な「悲しさ」が対極ある。それを本の中で見つからなくなってしまったというのが実のところ、本音である。悲哀とでも言うのか、主人公や関係者の「怒り」「呪い」「恐怖」のベースにある深く巨大な「悲しみ」の存在である。

 さて、11月29日から公開される映画「ドクター・スリープ」はどうしよう。まだ、原作を読めていないし、このまま映画館に行ってしまうと、映像や俳優さん達が先行してしまう。やはり、セオリー通りに原作をしっかり読んでから、DVDで観るべきなのだろう。しかし、観たい。

 映画で何が観たいのかって、成人したダニーでも伝説のシーンでもない。レベッカ・ファーガソンさんを観たいのだ。巡り巡って「シャイニング」からの「ドクター・スリープ」。その金字塔とも言える映画にレベッカ・ファーガソンさんが出ている。これはサプライズ以上のハプニングなのである。

 う~ん、どうしよう…。