DTPデザイナー!?

 「DTPデザイナー」と聞けば、なんとなく、アドビのソフトを使ってデザインをつくる人ぐらいのことは想像できるが、正確には「DTPオペレーター」と「グラフィックデザイナー」、それぞれの仕事内容を合わせた人を指しているような気がしますが、世間一般的には「DTPデザイナー」という言葉にはとても違和感があるというネットの記事を読んだ。

 例えば、求人広告で「DTPオペレーター募集」って書いてあったら、デザインはできないがアドビのソフトは使える人が問い合わせてくるだろうし、「グラフィックデザイナー募集」と書いてあったらデザインはできるがアドビのソフトはあまり長けていない人がくる可能性がある。しかし、求人した制作会社側としたら、DTPの知識や技術があれば、デザインはできるだろう?とか、デザインの仕事をしたいのならせめてアドビのソフトは使いこなせるだろう?ぐらいの感覚があり、それを総称して「DTPデザイナー」という言葉が成立しているのかもしれない。つまり、専門ソフトは使えるがデザインはできない、デザインはできるがソフトは使えないという人の方がこの現代、圧倒的に割合として少ないのが現実なのだろう。

 僕はマッキントッシュ(MAC)が日本に入ってくる前からグラフィックデザインの仕事を始め、数年してからアドビのソフトを習得した。この段階で世の中にはDTPという言葉はなく、すべてのグラフィックデザイナーがMACを使い始めている時期・時代でもなかったので、むしろ、ソフトが使えるだけでデザインナーの価値が上がる時代でもあった。ただ、現代のようにインターネットが定着し、一般的にパソコンを使えることが標準になってしまうと、逆にパソコンが使えない、詳しくない、アドビのソフトも活用できないという人はデザインの仕事に取り組むには大きな壁があることになる。また、「デザインの仕事=パソコンとソフトウエアでつくる仕事」という公式も実は微妙に違う。このあたりを明確にするために「WEBデザイナー検定」とか「DTP検定」などを受けてみようかなと問題集を読んだり、実際、セミナーに行ったこともあったが、実感として本末転倒な知識や技術のお話が中心だったので、検定は受けなかった。ただ、模擬テストにトライしてみたところ、非常に簡単だった記憶はある。やはり、本気で仕事に使うためにソフトウエアの機能を覚え、応用技術を習得するには基礎知識は当然のこと、各機能の連携やその他、関連するデータの知識や作業手順を理解していなければならない。そんな「検定」の模擬テスト問題レベルで判断できるほど現場の仕事は単純ではない、と感じた。だから、「DTPオペレーター」だろうが「グラフィックデザイナー」だろうが、「DTPデザイナー」であろうが、呼び方のカテゴライズはどうでもよく、デザインの仕事に対して真摯に向き合う覚悟さえあれば、どれも容易に包括できるような気がします。結論、デザインの仕事に取り組むためには何が必要かと言えば、国家試験もない、公認検定試験なども存在しない、非常に曖昧でレンジ(階層)が広く多様な世界なので、これだけ習得すればあとは安泰だなんて気を抜かずに、いつまでも好奇心旺盛でいる姿勢・気質があれば、何とかなる世界だと思います。だから、よくデザインの仕事をするために必要な知識・技術・経験は何ですか?とよく質問されるが、僕はこう答えている。それは「デザイン以外の知識と技術と経験だと思います」と。そのゾーンが充実してさえいれば別段、「DTPデザイナー」に違和感を覚えることはなくなります。