1万時間の法則

 「1万時間の法則」で検索すると、「1万時間の法則という言葉は、英国生まれの元新聞記者、マルコム・グラッドウェル氏の著書『天才! 成功する人々の法則』(講談社、2009年)(原題:Outliers: The Story of Success)によって広められました。グラッドウェル氏は、ある調査において「エリート演奏家は20歳までに合計で1万時間の練習を積み重ねた」という結果が出たと述べ、大きな成功を収めるには1万時間もの練習が必要だという「1万時間の法則(ten-thousand-hour rule)」の存在を指摘しました。モーツァルトやビル・ゲイツ氏をはじめとした成功者には、大成するまで1万時間の下積み期間があったというのです。」という情報は簡単に入手できる。僕がこのキーワードで検索しようと思ったのはある方から「絵が上手くなりたいのですが…」という相談を受けて、「どれぐらいデッサンなどの練習をすればいいのでしょう?」と聞かれ、この法則のことを以前、本で読んだ記憶があり「1万時間ぐらいですね」と安易にも答えてしまった。で、改めて自問してみると、幼稚園の頃から僕は絵を描くのは好きでしたし、軽口程度に「僕の絵は上手い」などと言ってしまうこともありましたが、本心では「絵など上手くても仕方ない」と思っているので、「上手さ」みたいな部分には興味が、実はない。だって、「上手いですね!」と他人に評価されたいから絵を描いているわけじゃないから。

 しかし、それでも僕は本当に1万時間以上も絵を描いたのだろうか?と自問してみると、1日3時間3,333日(約9年間)絵を描いていたら約1万時間になるのですが、恐らく僕はそれ以上絵を描いている。絵らしきラクガキ程度なら幼稚園の頃なら休みの日は1日中描いていた。さすがに小学校~高校はと振り返ってみてもやはり絵は描いていた。芸大ともなれば1日8時間ぐらい描いていた日もあったぐらいなので、社会人(22歳)になるまでに1万時間は軽く達成している計算になる。で、デザイン(イラストレーション)の仕事とライフワーク(習作)でともなれば、恐らくですがこの人生(55歳)で5万時間ぐらいは何かを描いているはず。でも、それは何故か?と振り返ってみても、単に好きだからに尽きる。だから、ご相談に対しては誠に僭越ながら、「絵が上手くなるためには1万時間絵を描いてください」とアドバイスするのではなく、「上手さなど気にせずとにかく手を動かしてください」と言うべきだったのだと少し後悔している。本の知識など自分で消化できていないのに安易に口にするもんじゃないという反省・告白でした。