仕事の専門性。

 最近、現代の若い世代の人達は特定の仕事観に対してあまり意味や価値を持っていないような印象を受ける。つまり既存のカテゴライズでは成立・完結・定着しない多様さであり、「専門性の否定」のような印象である。そういう人達は「具体的な何か」を仕事として選択するのではなく、不特定多数の相手(誰か)に自分を寄せていく感覚・手順・スタイルのようだ。僕は仕事で20代から90代の方とお話をする機会があり、この70年という世代の格差は仕事に対する向き合い方にとてもつなく大きな相違を生んでいる。「お金を稼ぐこと」「生計を立てること」「社会性を得ること」以外の仕事の価値が若い世代の皆様の中には確実に存在している。もし、僕がデザインの仕事以外の仕事で、カテゴライズされたゾーンの仕事に従事していれば、当然、その観点を否定し、対話が成立しなかっただろう。特にこれからクリエイティブで飯を食っていく人達は、手順やスタイルや方程式よりも、自分自身の感覚が何かで満たされていくのかについて最優先で考え行動していく人が、そういう世代のクライアントと良質な関係を築く確率が高いということを意識しなければならない。仕事の専門性を奪うのはAIテクノロジーだけではなく、進化しよう変化しようともがきあがいている人達の中にある概念や哲学などの思考だったりもするのだから。固定的に狂信的に「ビックサクセス=ビックマネーの法則」を今でも信仰している70歳の人と情報交換していると、「ああ、この人は変化できなかったんだなぁ~」と率直に感じてしまう。その方はそういう変化する機会を逃したのだろう。