個人事業活動の利点。

 20代の頃、制作会社にお世話になっていた時はどんな小さな仕事案件でもチーム・組織で考えて役割分担を検討した後、効率とコストをしっかり確認・吟味してから制作作業を開始していました。新規顧客獲得目的の営業展開でさえ、企画書と提案書をつくり充分に会議で検討してから。高額な設備機器などの投資についても徹底的にリサーチして資料を検討してから契約・購入の手順でした。しかし、私の考えは検討することよりも、まずは行動しながら試行錯誤したいという考えが強かった。あまりモノゴトを深く考えていなかったのは事実なので「安易だ」「短絡的だ」「無計画過ぎる」などの組織内の評価でした。いつも。では、時間・人・コストの問題をどこまで検討し、シュミレーションすれば適正な結論が出て、踏み出せるのか?といつも食い下がっていましたが、会社組織はこの程度の個人の声に耳を傾けません。

 心の中で「綺麗な企画書や仕様書など不要だ」というモヤモヤがありました。

 だから、できるかできないかは先送りにして、まず自分の頭と設計プランだけを頼りにつくってしまうことが多く、当然、失敗しますから、「だから、言わんこちゃない!」と上司に怒られます。そういうストレスが制作会社の頃は日常茶飯事でデザイン制作会社でデザインの仕事に取り組むのはあまり楽しくないぞ、という結論に達しました。それが30歳の頃です。

 結果、小規模でいいので自分の思い通りに事業を進めたいという結論に達し行動しました。確かに個人単位で営業から制作、そして、納品・決済まではキツイ。それに病気で寝込めば仕事は止まりますし、お客様からの信頼も失います。だから、自分自身の健康管理にはとことん神経質になりますし、どんなボリュームの仕事も一切手を抜くことはできない。組織にいた頃ならば、できないポンコツに仕事を邪魔され集中力を奪われてイライラしたり、他人のミスの後始末で自分の仕事ができなくてブリブリすることもありましたが、むしろ、それはとても緩い余裕のある環境だったのです。個人事業活動ではその余裕が無くなったことで誰にも言い訳することができませんから、とにかく自分で動くしかない。

 当然、個人事業活動はメリットもデメリットもありますが、あとは自分自身の本質との相性の問題です。私の場合は不利なことの検証を忘れるぐらい、不安な予測を考える暇をつくらないほどに、とにかく「A.C.T.(Action:動いて、Create:つくって、Think:考える)」という姿勢で仕事に取り組んでいます。これができるのが、私の場合、個人事業活動の利点だと捉えています。