欲しいモノ。

 僕には欲しいモノが3つある。

 一つ目は漫画「無限の住人」の主人公万次さんがラストシーンで土に埋めた刀である。著者の沙村広明さんがこの物語で描き続けた様々な刀。人を殺める道具だから不謹慎な考えかもしれないが、実際にそういう道具が存在していたことやその道具がどのような物語を生んだのかを示すために沙村さんはその道具を物語で描いたのだ。人と道具の歴史について考えることを忘れないためにもどれか1本でいいから欲しい。

 二つ目は映画「羊たちの沈黙」の中でレクターが描いた「クラリスと羊」のデッサン(素描)である。ほんの数秒しか映画の中では登場していないが、原作者のトマスハリスが、監督のデミが、そして、美術担当の方が想いを示した絵だ。描いた人は誰だか知らないが、その描き手さんは映画に関係する人達の想いをとことん汲み取り描いた一枚の絵だったはず。決して、世界のオークションで売買されるような著名な画家達の高価な絵ではないが、もし、入手できるなら欲しい。

 三つ目は映画「ドラゴンタトゥーの女」のラストシーンで主人公リスベットがゴミ箱に捨てたライダージャケット。このジャケットの価値を知るには小説を読み、映画を観る必要があるが、この第一部のあとに二つの作品が続く。その後、ラーソンが他界し事実上、リスベットは消えた。だが、その3部作(6冊)の物語の中でリスベットが誰かのために用意したギフトは確かこのジャケットだけだったと記憶している。つまり、リスベットが唯一そういう気持ちになった証がこのジャケットなのだ。恐らく映画の関係者が持っているのだろう。譲っていただけるものなら譲って欲しい。