二つの仕事。

 雇われている立場であれば、売り上げに繋がらない仕事はしない、してはいけない。それはムダで非生産的な行為だから経営者が許すわけがない。いくら能力があり積極的な姿勢と技能があったとしても。そんなに自分勝手に好きなことをやりたいのなら、独立すればいい。多くの独立される人達は勿論、利益を自分で獲得したいという目的も強いだろうが、基本姿勢の中に自分のやり方で商売に取り組みたいという本心を最優先されて独立されているんじゃないだろうか。

 さて、雇われている立場の時、僕は社長から「売り上げにならない仕事はするな!」と怒られた。新しい仕事や知識・技術を習得するため、市場のリアクションを開拓するのは会社として応援するが、それはあくまでも「売り上げ」が目的だと、極当たり前の理屈。若い頃だったので屁理屈を並べてなんとか自分の体勢(言い草)だけは整えようと必死だったが、雇われている以上、社長の言葉が何よりも正解である。

 その時、仕事には2種類あって「売り上げになる仕事」と「売り上げにならない仕事」があることに気づいた。で、売り上げにならない仕事とは、本来、「仕事」とは呼べないかもしれないが、売り上げとは別の目的がある思考・作業・行動を指している。それは、「探求心」「研究心」「好奇心」「開拓心」「向学心」から生まれる思考や行動だ。それは個人的な満足のためだけではなく、引いては長い目で見れば会社の利益になると確信していても、経営者の理解は「生産効率」が優先となる。仕事が単純作業ならそれも正解だが、クリエティブワークというのは単純作業の側面もあるが、そうでない側面も広く大きい。しかし、先の成果が見えていない、共有できていないとその目的のための長いルートが単なる「道草」に見えてしまう。

 しかし、売り上げにならないが自分のルート(知識・技能・キャリア)を固めるためにも道草は大切だと思います。何か危機的な状況で「売り上げになる仕事」が途絶えた時、道草で拾った種が芽を出し、新しい「売り上げ」になることだってあるんだから。実際、僕の場合、何が王道でなにが道草か分からないぐらい、好奇心のままに歩いてきたが、結局、どの道を進んでもゴールはひとつのような感覚(予感)があります。