アニメ映画「海獣の子供」を観て。

 GWはコロナでうっかりしていてDVD「海獣の子供」がレンタル開始しているのに気がつかず、昨日、レンタルして観ました。もっと早めにレンタル開始していたのかもしれません。

 最初、映画情報から知ったこの作品。漫画原作だという情報から、映画館に行きたいと思ったが滋賀県では上映されていなかったので諦めた。DVDが販売されるようになり、買おうかなと思ったが、なんとなく「これは買いなのなか?」と「購入ボタン」画面まで進んでカートから削除。その流からなんとなく漫画原作から読もうと思った。で、やはり、この直感が正解。漫画作品は宮崎監督の「ナウシカ」の原作コミックスを読んだ時ぐらい痺れた。何回も何回も5冊の漫画原作を読んでDVDをレンタルしようと思っていて、忘れていた。で、昨晩、そのアニメ映画作品を観たのですが、やはり、DVDの購入ボタンまでいってCan'tした直感が正解でした。

 ファンの方は怒らないでくださいね。確かにスタジオ4℃さんの絵は迫力があり抜群なんです。声優さん達も素晴らしいしエンディングの米津さんの楽曲も完璧。なのですが、漫画の世界観とは別の作品になっていた。確かに漫画原作のアニメ映画化は同じようなことがよく起こる。5冊ある原作を100分程度のアニメ映画にまとめる際、無理が生じるのかもしれないし、初見でこの作品を観る不特定多数の方に対して、この映画の魅力を映像とサウンドと物語で魅せるわけですから、それはそれは想像できないぐらいのプロの皆様の英知が結集されているわけです。ま、素人なんでも映画評論なのでご了承いただきたいのですが、いや、それほど漫画の世界観と物語のスピード感、登場人物の心情表現や構成があまりにも秀逸で、それこそ、漫画の一コマ一コマの構図にドラマというか空気感があり、その期待値のままアニメを観たので、どうしてもどうしても別物という感想になってしまいました。残念ながらDVDは買わないでしょう。

 で、この物語のテーマのサイズ感について。同じような物語のタタミカケ感が映画「アキラ」にもあった。後半、最終局面の映像表現が途方もなく巨大過ぎて、観ている人の理解の枠のキャパをオーバーした(僕の場合)。つくっている人達は漫画原作を厳選してこの表現にたどり着かれているわけだと頭で分かっていても、どうも「これが正解?」「この展開でいいのかな?」という気持ちになり少し心の温度が下がる感覚です。

 それが、アニメ「海獣の子供」では冒頭にありました。ネタバレになってしまうので、あまり詳しくは言えませんが、海君の登場シーンはこれではないはずです。これもつくり手の皆様の吟味して吟味した結果なので、素人がどうのこうの言う領域ではないのですが、一人の映画ファンとして、漫画ファンとして、少しだけ気持ちが下がりました。

 DVDを買おうと思い立ち、WEBサイトで観たアニメ映画のダイジェストで美しい海の風景を観たときもその予感がありました。この作品、観る人達の理解や感受性を放置しているかもしれないと。つまり、それほど美しいシーンだったわけなのですが、映像の構図の中からつくり手の強い手が現れて、心をガッシリ鷲づかみにするタイプの映画作品ではないなという直感でした。

 アニメ映画作品を観てから昨晩は漫画原作の第1巻をまた読みました。ふわふわしていた気持ちが元の鞘に納まった感覚で快眠でした。

 「白と黒」「空と海」そんなテーマがスタジオ4℃さんは好きなのかな。