時間に余裕ができると。

 僕の場合、時間に余裕ができてしまうとロクでもないことを考える。

 つまり、結果、「下手(馬鹿)の考え休むに似たり」状態に陥る。

 その考えがいろいろな不安や焦りを生み、次から次へとネガティブなことがひらめき、思考がフリーズする。忙しい時は忙しい時でパニックになり頭のOSがシャットダウン。つまり、アップアップ状態になると作業量がメモリの上限を超えて機能を停止させるのだ。この状態をそうなる前に回避するテクニックとして僕が習慣化しているのは、単純な運動だ。どうも椅子に長時間座って思考している状態がよろしくない。だから、そろそろヤバイなぁ~とサインを自覚したら、椅子を立ちその場でスクワットしたりストレッチをする。それでもモヤモヤが止まらないと仕事場につくったボルダリングの壁にぶら下がり、両手両足がバンプするまで壁から降りない。ボルダリングも研修を受けて免許を取得してから、本格的なスタジオに行った経験は数回で、未だに仕事場の壁に張り付いている時間はMAX8分間。でも、両手と両足の筋肉がカチカチになって壁から降り、呼吸を整えている頃にはさっきのモヤモヤは少し消えている。

 で、モヤモヤしていた思考のレイヤーの上に新しいレイヤーが現れて、そこに次のひらめきが生まれる。これが解消法と言えば解消法なのですが、「ひらめき」について僕は高校卒業する時、芸大に合格したことを学校の友達に個人的に伝えるため、ひとりでストーリーマンガの卒業文集を制作した。自分で物語をつくり漫画を描き、コピーしてホッチキスで製本するというなんとも手作り感満載の冊子だったが、そのタイトルが「ひらめき」だった。思考の連想とは不思議なものでモヤモヤしていても何かひらめいた時、この文集のことをよく思い出す。今考えると「なんて傲慢なことをしてしまったのだろう」などと恥ずかしさの極地だが、その時の「ひらめき」は結構満足していた記憶がある。でも、こっぱずかしさと同時に不思議な達成感が甦り少しだけ高揚する作用があります。

 このように、この馬鹿野郎が「この景気をどう乗り越えよう?」などとない知恵を絞り、少ない引き出しをかきまわして今更、何か考えたところで妙案はそう簡単にひらめかない。だから、「ひとり卒業文集」程度のアイディアが少しでもひらめいたら、それをコツコツつくることぐらいしかできないのだ。だから、スクワットやボルダリングでガスを抜いたら、今やるべきことが明確にひとつひとつ見えてくるので、それを徹底的にやり抜くしかこの状況を凌ぐ方法は僕の場合、ないようです。いろいろ経営のことや心理学やビジネス書も読みましたが、結局、この頭に残っていることは「モヤモヤしたらひとりで身体を動かせ!」ぐらいの単純な知恵なのです。

 いくつになっても「動いて、つくって、考える」これしかできない人間のようです。