主役のタイプが違う。

 日本映画と海外の映画について、特にハリウッド映画の主人公を演じる俳優さんのタイプと日本映画の主人公のタイプが少し違うように感じる。映画産業はそれぞれの国のファンがつくるモノ。当然、主人公選びもファンのニーズを十分に考慮して配役が決まるのだろう。日本映画の主人公は人間味よりもルックス重視のような印象を受けるし、海外はルックスも当然良いのですが、プラス、人間臭さというか個性的というか演技力の部分も含めた人間性に厚みがあるような印象を受けた。むしろ、海外映画の場合、モデルのようなルックスとスタイルの俳優さんはサブで、脇を固める配役が多く、しかも、イケメンでスタイル抜群だけれど癖が強い演技をされている場合が多い。一方、日本映画の主人公は人間的には勿論魅力的なんだけれど、人間臭さという点でも演技力という観点でもイマイチでも成立している。その分、脇を固める人達が主人公を光らせる物語脚本になっているような構造。これは、それぞれのファンが求めているニーズを反映させているとしたら、日本人はちょっと中身が足りないぐらいが感情移入しがちで、あまり人間臭さというかキャラが立ち過ぎたり演技力がディープだと共感しにくいニーズ(国民性)なのかもしれない。一方、海外の映画は主人公の人間性が深ければ深いほど感情移入するファンが多いのかもしれない。確かにたった2時間程度の映像に登場する人物像だから、分かりにくい人間性よりもちょっと足りないぐらいが程良いのかもしれません。それが物足りないという方は海外の映画を観るわけですから、映画製作現場でも興業収益のことを考えれば、少数派よりも王道で映画作品の方向性や内容を決めるのだろうし。

 ま、テーマへのぶっこみ加減も同様で、心をえぐるような掘り下げ方はせず、表面をサラリと撫でる程度のテーマの扱い方が、実は興業成績に直結するのだろう。

 当然、「ボーダー」のような映画が日本でバズる可能性はないのだ。