つくり手の心得#009「苦手意識」

 つくり手は比較的主張が強い。個性的でなければならないが、仕事として取り組む以上、協調性も必要です。そんなこと誰でも知っていること、分かっていることなのですが、実際、仕事上の人間関係のトラブルはほぼこのつくり手特有の苦手意識が作用しているような気がします。無個性なクリエイターってありえなし、協調性ばかり重視してイエスマンでもデザインの仕事は成立しない。その割合いとか配分が非常に難しいと思います。

 この苦手意識は個人のいろいろな経験値や独自の知識が大きく作用しているはずなので、やはり、普遍的な解決策はないような気がします。だからと言って放置していても問題は解決しませんし。で、僕なりのこの苦手意識を克服するコツとしては、すべて受け入れるようにしています。無理難題や乱暴な理屈についても感情論を抜くと意外とシンプルな要望だったり要件定義だったりする場合が多く、こちらがただただ苦手意識が強めに作用し過ぎて過剰に反応しているだけというケースも多く、とにかくすべて一回飲み込むように胃袋を鍛えようと努力してきました。

 結果、大概のタイプ・ケースを飲み込めるようになった分、少しセンサーが麻痺しているような状況でもあります。本来、敏感に危険信号を察知しなければならないセンサーが馬鹿になっているので、肝心な重要なポイントも一緒に消化(忘却)してしまう場合です。

 つまり、メンタルなお話ではありますが、結局、心の健康管理に尽きるような、良い意味で気楽に呑気に良い加減なテンションで乗り切れるように、逆にスキルやテクニックだけは常に磐石のコンディションにしておくことに留意しています。確固たるレベルのテクニックは絶対に誰も裏切らないのです。