ペンギンと小石。

 ペンギンは求愛の証として小石をメスにプレゼントするらしい。で、メスはその小石を見てパートナーを決めるらしい。

 小石!?

 それはペンギンが子育てをする際の卵を温めるスペースとして小石を集めて巣作りをするためで、言わばマイホームづくりの材料なのである。では、どんな小石がメスのハートを射抜くのだろう?ペンギンの感覚はまったく想像がつかないが、この部分、恐らくサイズとか表面の質感とかの理屈ではなく、「いい感じの小石!」という感覚の部分なのだろうと想像しています。

 人間もひと昔前なら給料3ヶ月分をはたいて買うリングがそれに値するのだろう。でも、肝心なのはリングの価値ではなく、そのリングを差し出す男であって、リングはパートナーを決めるためのシンボル(代用品)に過ぎない。リングも小石も受け取るか受け取らないかは神のみぞ、なのである。

 しかし、小石を差し出して、「あなたじゃないのよねぇ~、ごめんなさい」は結構辛い。ま、ほぼほぼ小石が悪いわけじゃないんでしょうけれど。「ごめんなさい」されたオスにしてみれば、その小石をくわえた状態でポカーンなんだろうけど、結構、心中はヘビーな状況である。

 それほどに人生のパートナー選びは生物の一生で一大イベントである。そもそも、人間も含めた地球上の生物で「種の保存」以外に意味のある、価値のあることはない。人間は大きな脳で自分(人間)寄りの価値をつくる術に長けてはいるが、基本の仕組みは変わるはずがない。

 ココイチの小石を用意できたペンギンの高揚感というか興奮度合いはいかなものなのだろう? 想像してみると、少しだけ笑える。