サウンドデザインについて。

 デザインの仕事を長く続けてきたからか、視覚情報については貪欲に探求心と好奇心を奮い立たせてリサーチすることに取り組んできたが、「サウンド」については映像に加えるモノ、それらしい音楽を直感的にチョイスして適当にそれなりに合わせれば、それらしくなるだろうという非常に安易な捉え方をしていた。18年前、ある全国的な組織の記念式典が神戸のホテルで開催されるにあたり、その式典で配布するパンフレットやポスターの仕事と合わせて、「オープニング映像もつくれますか?」という相談を受けた。長浜から何回も神戸に車で通い、映像を撮影し、大阪市内でも何回かカメラを回した。パンフレットやポスターは遠隔ででも全国のメンバー様と比較的簡単に情報交換ができるが、映像制作は現地にいかなければ何も始まらないことを実感した。そして、企画書通りの映像カットが撮影できると次は編集である。その後で「そうだ!BGMはどうする?」という壁にぶちあたる。

 知人のデザイナーがオリジナルの楽曲づくりに取り組んでいてその時はなんとか成果物として納品し、無事、記念式典は終了したが、映像には必ず音楽サウンドが必須アイテムで、クリエイティブディレクションとして、映像づくりばかり集中して音楽づくり、つまり、サウンドデザインを疎かにしていると、えらいことになる!? と実感する。

 その経験を活かして、基本的にデザインの仕事を取り組む上で、視覚情報のクリエティブと並行して常にサウンドデザインについての意識を失わないように心がけている。

 そして、現代、ンターネット全盛時代からの映像時代が到来した。当然、映像づくりを絶対に疎かにしてはいけないが、合わせて、サウンドデザインについても同じぐらいの割合で意識するようにしている。

 つまり、PCやスマホのモニターとスピーカーで何を伝えるのが僕の仕事なので、視覚情報だけに特化するのではなく、しっかり、サウンドデザインもつくり込める環境を整備しておく必要があるのだと捉えています。そういう意味で、15年間前、協力してくださったクリエイターさんのデザインをしながらサウンドデザインも取り組んでおられたのは、かなり、的を得た先進的な意識だったのだと驚かされています。

 これからの若いクリエイター達に56歳のおっさんからのアドバイスとして、視覚情報を極めながら、聴覚情報も同時にデザイン・クリエイトできると、仕事の幅が広がりますよ。そして、何より仕事が楽しくなりますよと言いたい。ベタな表現だが、「音を楽しむ」のが音楽なのですから。