1文字1円以下のライター。

 世間一般、「1文字1円以下のライター」では飯が食えないという基準があるらしい。コピーライティングの単価についてはあまり深く考えたことがなく、たまに翻訳をお願いする時はそこそこの文字数でA4原稿でいくら?という感覚で発注している。翻訳業務をよく依頼するのココナラさんのライターさんは、ネイティブの方も多いし、専門的なテクニカルコピーも依頼できるのでとても助かっている。

 ではこの「1文字1円以下のライター」という相場感をデザイナーに置き換えるとどうだろう?「A4デザイン?円以下」「カタログ1ページ?円以下」「WEB1ページ?円以下」というラインが見えてくる。以前、ある六本木で起業しておられる方から聞いた情報ですが、東京ではYouTube動画(約15分)の編集作業が1本¥8,000(税別)なのだそうだ。条件として動画(音声入り)素材を編集し、タイトル文字や説明文入れたりする仕上げ方だったので、NGカットを削除して切って貼る編集までなのだが、それにしても、15分の動画に仕上げるためには素材は恐らくその5倍ぐらいあるだろうし、確実に1時間は動画をチェックする時間として必要である。で、必要ない部分を削除する。イントロをつくる。タイトルやキャプションを入れる。音声を調整する。画質を調整する。そして、全体を通して流れを確認してから、指定のデータ形式で書き出し(レンダリング)。どんなに手馴れている方でもこの一連の作業が動画チェックを入れて4時間で終わるとは思えない。つまり、この仕事の時給は2,000円なのだ。アルバイトと比べればいい条件だが、単に受注のやり取り(メールや電話)にトータルで1時間、納品後の微調整作業や修正作業など追加で3時間と想定すると時給は1,000円に減る。それでもこのタイプの仕事を相当数こなせば生産効率も上がるだろうが、グロスで考えても自給1,500円あたりに落ち着くような気がする。つまり、一日8時間労働で12,000円。月額で300,000円なら仕事として成立する。

 しかし、「1文字1円以下のライター」もなかなかな存在だが、「YT動画1本8,000円」もなかなかディープだ。で、そんな状況で必ず登場するのが「付加価値」だ。この時代ちょっとやそっとでこの「付加価値マジック」テクを習得するのは困難だと感じている。「付加価値」という言葉にあまりにも手垢が付き過ぎ、使い古されている印象が強く、僕自身、「付加価値」の実態が何かよく分からない。

 そこであるライターさんのアドバイスは「1文字1円以下のライター」モデルからレベルアップするためには、唯一、「特化」しかないようです。だから、僕の感覚ではクリエティブワークに取り組む良質な姿勢というのは「均衡」ではなく「特化」であり、モノゴトの解釈が多少捻れているぐらいが、結果、適正値のような気がしています。