イラストレーションのお話 アーカイブ

ひさびさのアクリルガッシュ。

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 これは最近購入した「アクリルガッシュ」の習作です。仕事用のイラストを描く場合、ほぼカラーインクとイラストレーションボードのパターンけっこう長かったので、アクリルガッシュは久しぶり。透明染料系のカラーインクとはやはり発色や混色の癖が異なります。どうしてもカラーインクの手順が染み付いているので薄く重ねてしまい、混色は比較的イラストボードの上に色を重ねながらつくっていました。それがアクリルガッシュだとパレットで色を決めてから描画になるので画面の色づくりが異なります。ま、そのあたりを確認してから、エアーブラシによる立体作品の着色の感覚を復活させようと思っています。

 絵を描いたり立体作品をつくるのは頭の中でいくら素晴らしい作品が完成していても、それを手で実在させなければなりません。技術が足りなかったり道具の癖を分かっていないと頭の中の完成度はどんどん劣化し別物になります。この手順・作業は手で実際に描いたりつくったりしなければその実感を確認できないので、どうしてもテクのコンディションを整えるためにはいろいろ試作・習作を繰り返していく必要があります。実際、筆やヘラを握って描いたりつくったりしていると、いろいろ技術的な新しい発見やアイディアも生まれます。頭で考えているだけではこれらのひらめきも生まれません。だから、作品(成果物)を生み出すためには手を動かすしかないようです。

何故ピンとこないのか?

 あるイラストレーションの専門誌を読んだ。それには、ある日本のイラストレーション業界のトップの方のコメントが記載されていました。「イラストレーションは一種のエンターテイメント 何も決まりはない。イメージを自由に遊ばせて描くだけ。」この言葉にの中に、ここ15年のデジタルコンテンツのなんともしっくりとこない不可解な違和感に対する解決策が見えるように思えた。デジタルだからエンターテイメントではないし、アナログだからエンターテイメントだともの言えない。しかし、「イラストレーションは一種のエンターテイメント」だというアプローチはとても的を得ているように感じてしまいました。これだけデジタル仕上げのビジュアルに目が慣れてくると、その対極にあるアナログ(手描き)がリアリティーを帯びてくるのは当然の対比ですが、いやいや、それだけではない何かあるでしょう?とこの言葉の中には「何故かピンとこない」の「ピン」があるように感じました。
 で、いくらマウスを使ってもタブレットを使って描いてもピンとこなかったのは、「ああこれはソフトだなぁ~」とか「これはタブレットだなぁ~」とか感じられてしまうイラストレーションだからで、もしかすると、描き手はそれを狙っていて、アナログ表現では不可能な技術や色やカタチの構成を魅せたかったからデジタルという手法をとっているかもしれないし、道具が「ソフトウエア」でもいいものはいいんだから、最後は何を伝えたい。どう感じて欲しいという描き手のイマジネーション次第だともこの言葉は言っているように捉えられた。だから、描くことにリミッターをつけていた自分自身に憤慨したとも言えなくない。
 ソフトでも手描きでもようは「ピン」とくる作品であればいいのだと思いました。となるといろいろなイラストレーションの技法の中で自分のイマジネーションをアウトプットしてくれる手法を見つけることが肝心であり、それが見つかったら何をどうしてもそのイラストレーションは「ピン」とくる。という構図になります。でもでもでも、この「自分のイラストレーション」を見つけるのは至難の技。これまでに「これだ!」「これかなぁ~?」「これでええやん!」「もう、これでええわい!」と途方もない試行錯誤をしていますが、まだ分からない。もしかすると、自分自身がイラストレーションのことを何も理解していないのかもしれない・・・という被害妄想になる場合もありで、なんとも、イラストレーションの世界は奥が深く、恐ろしい世界である。
 また、このカテゴリーで画材やタッチや世界観のお話ができれば・・・と考えております。自分の絵を探している方、自分の絵が見つかった方、ピンとくる絵を見つけた方、ご連絡くださいませ。

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