以前にも仕事で立体作品やクラフトを制作していた時、うっすらとなんとなく実感していたことでしたが、最近、フィギュアを製作するつくり手のYT動画を観て気がついたことがあります。
それは「部屋が薄暗い」のです。
ま、立体作品をつくるためにはほんとにいろいろな道具が必要なんです。非常に根気の必要な細かい作業で、しかも、完成度を高めるためには想像以上の時間が必要だとのこと。つくり手の皆様の根気というか徹底的に造形作業を極めるという作業の実態を動画で観ていると、立体作品が何故ここまで心を動かすのか分かります。
あるつくり手の方が動画の中で言っておられた言葉がとても印象的でした。
「造形物に魂を込める」という姿勢です。
そう考えると、信仰を集めてきた仏像や彫像にも同じことが言えます。木であれ石であれ金属であれ3Dプリンターであれ、必ず造形物・立体作品にはつくり手の魂が実装されているのです。
少し話しは逸れて、映像制作においても同様に「光と影」の関係性は優れた映像を制作する上でとても重要な捉え方になります。人物であれ風景であれ造形物であれ、光があたっているから見えるのです。以前、映像制作に取り組むにあたり、ある映像制作のプロフェッショナルの方から、比較的暗い状況で人物を撮影する際、明るい光があっている部分と暗い影の部分の暗い部分、このディテールがどこまで撮影できるかが勝負だと。だから、私はカメラを選ぶ時にダーク部分のディテールをどこまでしっかり撮影できるかという機能性でカメラを選んでいるとのことでした。
そのことが立体作品をつくる皆様の部屋が薄暗いことと一致して、改めてつくり手の仕事場というのは様々な理由や知恵が取り込まれているんだと実感しました。実際、粘土素材で造形物を制作している際、日中でも部屋の明度を下げて、直接手元にスポットライトを当てるのではなく、少し角度をつけて手元を照らし、制作中の造形物にコツコツと手を入れています。
また、同じ捉え方でイラストレーションを描く際も、光と影の関係を改めて意識するようになりました。鉛筆で陰影をおこす場合でも、捉え方は同じなんですね。